『fragile』
造形研究科 美術研究領域
SAI
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『アートスムージー』『5秒前』
ドローイングをミキサーにかけ積み重ねることで自身の感情の地層を視覚化しようと試みた。
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『マリーアントワネット』
空白の中に子供を入れ、第三者が環境をどう見るかを試みる。子は親を見つめる。
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中身の人は違う。手を広げる人の安全性。 パンはそこに触れてよいかの緊張感を示す。
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紙様
空ペットボトルに高級ドレスパニエ。お金は大切。安定する。はたまた裸の王にもなりえる。
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静かに眠ろう
砂を活用するノイズ画面。貝に耳を当たるとボーッと音がする。左耳が欠如している作者の身体性を表す。
「人間関係の視覚化」をテーマに制作。
異なる媒体の響きの効果、家族の欠如をめぐった美術による緊急説明法を模索。
修了作品は「Fragile」シリーズを展開。脆さの核心部分に焦点を当て、その本質を見つめる。
不安、逃避など人間に備わる脆さ、全人類に共通の「親子」にスポットライトを当て、ブラックユーモラスも含め、コンセプチャルな空間を展開。モチーフの認識の拡大、発展を試みる。
『fragile』
写真、コラージュ、ミクストメディア、油彩 /指導教員:宮﨑勇次郎
造形研究科 美術研究領域
ZOKEI賞受賞作品について
SAIは、人間関係の模索をテーマに研究を行い、修了制作では「家族」に焦点を当てた作品の制作を行った。トラウマを抱えるほど自身の家族関係は恵まれたものではなかったと語る彼女にとって、家族に目を向けることは非常に困難だった。しかし、すべての人に母親が存在するという普遍的な事実に着目し、これまで避けてきた家族と向き合うことで、現代社会における人間関係の在り方も見えてくるのではないかと考えた。絵画を中心に立体や写真などのメディアによって「孤独、不安、恐怖、逃避」といった人間の脆さを表現していた。様々なものを組み合わせながら、暗い内容にも関わらずユーモラスにも感じられる作品になっている点も高く評価できる。
(准教授 宮﨑勇次郎)