9年前のいちばん忘れられないあの日

ZOKEI賞受賞作品について

今回のtsuburaさんのZOKEI賞受賞は非常に順当な努力の結果だと感じる。tsuburaさんは画家として生きていきたいという意志がかねてより強く、作品のみではなくグループ展の企画など学外での活動も活発な学生であった。
また作品は一見マンガやイラストレーション的な表層を纏うが、そうしたサブカルのイメージを絵画としてどう活かしていくのかの概念性の強さは学部4年間を通して一貫して来ており、単に好き嫌いのレベルで描いて来てはいない。
その上で自身の過去の抑圧を観者と共有できる形での昇華に努めながら、その作画の形象は非常に軽やかに描こうとするその画家としてのタフさも高く評価された。
今後の画家としての活動が楽しみである。

（教授 近藤 昌美）