モノの形の柄のモノ
デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻領域
清水万葉





一般的なモノはフォルムが決まってから色や柄が選ばれます。しかし、テキスタイル的な考え方のものづくりでは、柄を考案しながら同時進行でモノを作ります。
布が持つ平面と立体を行き来する特性。
そこから導いた本制作のテーマである「モノの形の柄でモノを作る」
裁断によって見え方が変わるプリント柄の特性。
これら3つの要素から、テキスタイルに対する解釈を広げる作品を目指しました。
モノの形の柄のモノ
技法:シルクスクリーン 素材:綿、ポリエステル /指導教員:鈴木マサル
デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻領域
ZOKEI賞受賞作品について
生地で制作するプロダクト自体のフォルムをモチーフとして生地の柄を描き、縫製する時にはそのモチーフとは分からないようなレイアウトで裁断し、元の生地とは見え方が全く違う、新しい柄として提示するという手法で制作されたプロダクトである。デジタルに頼らずに、手で紙をカットする事で描かれた柄のデザインも秀逸だが、全体を構成する色彩は自身の持つ色彩感覚を生かしつつ、他者と同時代を共有するような色彩の鮮度に満ちていて、魅力的である。一般的に服を作る順番を逆さまから進行させたような手順を経て出来上がった、非常にユニークかつ、フレッシュなテキスタイル プロダクト群を高く評価した。
(教授 鈴木マサル)