いなくなっても記憶のかけらを眺めて

美術学科 彫刻専攻領域

寺田 夏菜子

写真に興味を持ってから、昔のアルバムを眺めることが好きになった。何度も眺めているうちに、会ったことがないはずの祖母に会ったことがあるような感覚を覚えることがある。 私は、写真は記録の役割を持つとともに、記憶の上書きもしていると考える。人間の記憶は時が経つにつれて正確さを失う。忘れかけた出来事を思い出すために写真を見て、記憶が上書きされるうちに、昔の出来事だが、新しい記憶になる。曖昧で正しくないが何度も思い出された、ある意味新鮮な記憶は、たとえ大切なものがいなくなっても、遺された側の心の支えとなる。

いなくなっても記憶のかけらを眺めて

W250 D350 H85 テラコッタ /指導教員:藤原 彩人

美術学科 彫刻専攻領域

寺田 夏菜子