居つく

デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻領域

榑松心幸

あの窮屈で心地よい居場所はどこへ行ったのか。静かな心の秘密基地を今も探しながら生ていることに気がついた。
圧迫感のある空間は不自由で、窮屈だ。
けれど、その圧迫感は自然と安心感へと昇華し、ただそこに在る自分が浮かび上がる。
テキスタイルによって、世界と私のあいだに、柔らかな境界が立ち上がる。

居つく

テキスタイル /指導教員:清家 弘幸

デザイン学科 テキスタイルデザイン専攻領域

榑松心幸

ZOKEI賞受賞作品について

安心へと誘うさまざまな狭さと、それらを成す「境」について、緩やかな重さは落ち着きを、移ろう色彩は曖昧さを、平らかな硬さは静かさを、揺らぐ薄さは繋がりを、織物組織による有機的な構造を生かして表現した。すべての人に潜在する羊水の体性感覚を呼び起こす作品であり、その形状は、既存の何かの抽象でもあり、何かに定義される以前でもあり、織物そのものである。テキスタイルと人の優しい関係、居心地の良さを具象した素晴らしい作品である。

(教授 清家 弘幸)