挟んでくれる家具

デザイン学科 室内建築専攻領域

松島 杏奈

挟んでくれる家具

大きさ:2000×600×2000mm 材料:PET・PU混紡生地、ウレタンスポンジ、木合板 /指導教員:地主 広明

デザイン学科 室内建築専攻領域

松島 杏奈

ZOKEI賞受賞作品について

椅子という家具は、様々な二面生を保有している。その一つに客観的な形式的形象性と、主観的なハプティクス(皮膚感覚)がある。椅子は形象的には座面、背もたれ、脚で構成され、その構成から外れると椅子には見えなくなる。他方、ハプティクスは、いわゆる“座り心地”と呼ばれるもので、座り手の主観に委ねられる。しかしいくらハプティクスを高めようにも、椅子は上記の強固な形式的形象に縛られてしまう。彼女の作品は以上の形式的形象を捨て去り、ひたすらハプティクスとしての椅子を目指した。結果、座るポーズや、特定の想定ポーズを捨て去り、ただ“挟まれる”というアクティビティに心地よさを見いだした家具となった。秀逸である。

(教授 地主 広明)