いのちのしょくたく

デザイン学科 グラフィックデザイン専攻領域

大谷 菜緒

スーパーに並ぶ加工食品を見て、それらが生きていた頃の姿を私たちが思い浮かべることはほとんどありません。ネットショッピングではクリック一つで簡単に食べ物が手に入る現代で、子供たちが命の重さを知るきっかけを作ることが重要だと考えました。生き物を加工して作られた食品そのものをキャラクター化し新たに生き物として再定義することで、普段食べているものにも命があったことを再認識するきっかけにしたいと思いました。

いのちのしょくたく

インスタレーション /指導教員:小玉 文

デザイン学科 グラフィックデザイン専攻領域

大谷 菜緒

ZOKEI賞受賞作品について

"彼女は在学中に数多くのキャラクターを制作してきた。モチーフは様々だったが、共通する魅力は「ちいさく、いとおしい者たち」としてのデフォルメ表現だ。今回の卒業研究ではこの作風を活かしながら、社会的なメッセージを込めた作品を制作した。
彼女は昨今のにわかな「SDGsアピール」に疑問を抱いている。フードロス問題もそのひとつだ。彼女自身は幼少期に家畜を育てたり、野菜を全て無駄なく食べる「食育」を自然な形で体得しており、サステナブル社会の実現のためには、未来を担う子どもたちがこの感覚を自然に理解することが必要だと考えた。
1000体以上のキャラクターをひたむきに作り続けた彼女の、揺るぎない想いがここにある。"

(助教 小玉 文)